科学的に証明された「運がいい人・悪い人」の違い

新しい扉

ヤフー引用

仕事に生きがいを感じる、やりたいことを仕事に出来た…。

そんな幸運を手にしている人たちは、どんな特徴を持っているのでしょうか?

脳科学者の西剛志さんは、「漫然と仕事をこなしているだけでは、いい運は巡ってこない」と語ります。研究結果から見えた

「運がいい人、悪い人」の違いを紹介します。

※本稿は、西剛志著「1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教える 「やりたいこと」の見つけ方 」(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

研究でわかった「運がいい人」に見られる傾向

世の中には、運がいい人と悪い人がいます。
私もこれまで15年ほど、うまくいく人とそうでない人の違いを研究していますが
これまで5000名以上を分析してわかってきた1つは、「やりたいこと」を見つけている人ほど
仕事でもプライベートでも運がよいということでした。 やりたいこと(天職)を、英語で「コーリング」(天から呼ばれた仕事)と言います。
近年このコーリングの研究が欧米でも進んでおり、この20年間で200以上の研究論文が発表されています 

「やりたいこと」を見つけた人に起こる4つの現象

その中でも「やりたいこと」を見つけると、運を生み出す4つの現象が起きることがわかってきました。

1.収入が上がる

  2016年のフロリダ大学の研究で、やりたいことを実現している人は幸福度が高く
仕事にも熱心ということがわかっています。
幸福度が高まると、脳のパフォーマンスが上がります。ウォーリック大学の研究によると、幸福度が仕事の生産性を10~12%向上させるという研究があります。

また、別の研究では、幸福度が仕事の生産性を31%、創造性を300%向上させると報告しています。

そのため、やりたいことをしている人は、そうでない人に比べて収入が高く、より高い地位や名誉を得ることや、欠勤日数が少ないことも同大学のRyan D. Duffy博士の研究からもわかっています。
つまり、脳のパフォーマンスが高まると運がよくなるのです。

2.困難を乗り越える力が高まる

  「やりたいこと」を見つけている人は、新しいことにチャレンジする能力まで高まることがリスボン大学の研究でも報告されています。それはつまり、困難を乗り越える能力とも言い換えられます。

運がいい人は「困難を乗り越える力」が高いことに共通点があるのです。 

どんなに頭がよくても心がすぐに折れてしまう人は、仕事やスポーツの分野でもすぐに挫折して、運が悪い状態を自身で作り出してしまいます。

世界的にも「困難を乗り越える力」はIQよりも重要な能力として注目されており、勉強ができなくても、困難を乗り越える力があるほうが、仕事でもスポーツでも運がよくなることがわかっています。

3.疲れにくくなる

  「疲れやすさ」は運を遠ざけます。なぜなら、疲れると思考力が下がり、行動力も下がるため、全体のパフォーマンスが落ちてしまうからです。

しかし、運がよい人は好きなことを仕事にしているため、毎日快感の脳内ホルモンで満たされて「疲れにくい」性質があります。仕事であれ趣味であれ「やりたいこと」に取り組んでいると、疲れや痛みさえ感じにくくなるという研究もあります。

  働き過ぎは禁物ですが、疲れにくい体質を持っていると思考力や行動力が高まるため、必然的に運がよくなり易くなります。

4.人間的魅力が高まり、成功しやすくなる

  運がいい人のもう1つの特徴として挙げられるのが「人としての魅力があること」です。

魅力は英語で「Attraction」と言いますが、語源となる「Attract」の意味は「引き寄せる」という意味です。やりたいことに向かって精力的にチャレンジしている人は、多くの人に慕われ、たくさんの人が集まってきます。

私生活だけではありません。 仕事上でも、ビジョンを持って努力している人の周囲には、それを応援する人たちが集まってきます。

実際にハーバード大学の研究でも、幸せな人の周りには幸せな人が集まり、不幸な人の周りには不幸な人の割合が多くなることがわかっています。

つまり、運のいい人の元には運がいい人が集まり、運の悪い人の元には運の悪い人が集まってくるのです。

運がよくなるためには、まずは運がいい人のグループに入ること。そのためには、まずは自分の魅力を上げなければいけません。魅力を高める方法はたくさんありますが、その1つが、趣味でも仕事でも「やりたいこと」を見つけて、それに向かって進もうと努力することです。なぜなら、人はそんな存在に魅力を感じるからです。

私は以前、何事も一人でやろうとしていた時代がありました。正直そのときは運がよいほうではありませんでした。しかし、やりたいことをやっているうちに周囲に人が集まり、手助けしてもらうことで大きな運を手に入れたように感じます。

仕事において自分の力だけで大きなことを成し遂げる人はまずいません。運は多くの人に支えてもらえることから生まれます。

「やりたいこと」を見つけるためには?

それでは、運を高めるために大切な「やりたいこと」を見つけるには、どうすればよいのでしょうか?著書でも大きく7つのワークとうまくいく人達の習慣を紹介していますが、その1つをお伝えしたいと思います。

それは「人との出会い」を増やすことです。

なぜなら「やりたいこと」に関する情報はほとんどが人を介してやってくるからです。

運のいい人と悪い人の違いを調べた研究があります。その1つが「出合いの数」(人との接触面積)でした。新しい出合いの量が、その人の運を左右しているというのです。実際に「やりたいこと」を実現するためには、たくさんの機会(人を含む)との出合いが重要であることがわかっています。

ちなみに、リンゴを取るためにいつも同じリンゴの木に行く人と、違うリンゴの木に行く人とではどちらが運がよいでしょうか?

答えは明らかに後者です。同じ木に行く人は、いつしかそのりんごがなくなってしまうかもしれません。一方で毎回違う木に行く人は、つねにリンゴを取ることができ、しかもいろいろなリンゴの味まで堪能できます。

これは私達も同じです。楽しい仕事の多くは「やりたいこと」をしながら生きている人たちが持っています。そのため、こうした人たちの輪に入ることは、そのぶん「やりたいこと」と巡り合うチャンスも多いのです。

オンライン全盛の時代です。人と直接会わなくても、コミュニケーションが成立してしまいます。そうしたなか、相対的に「人と会って話すこと」の価値が現在改めて見直されています。

「最近いい運が巡ってこないな」と感じる人は、ぜひ新しい出合いを意識してみてください。

「ミラーニューロン」は運を高めるカギ

もう1つ大切なことは、「やりたいことを実現している人」のモデルを探すことです。その理由は、脳の「ミラーニューロン」の働きで「やりたいこと」をしている人を見ると、自分もその人の考え方や行動に影響を受けるからです。

私たちは、相手の動作を見ると無意識のうちに脳内で相手の動作を真似ています。ミラーニューロンとは、その際に活動的になる細胞です。

裏を返すと、日本人が仕事に生きがいを感じないのは、「やりたいこと」で生きている人との出合いが少ないからかもしれません。そうしたモデルと出合えないと、自分が「やりたいこと」で生きる姿を想像することも難しいでしょう。

逆にいえば、「仕事に生きがいを感じていない人」のモデルに事欠かないのが日本ともいえます。周りにダラダラ働いている人がいたら、「自分はこうなりたくない」とは思いつつも、同時に「人生こんなものかな」と思ってしまうのです。

今、「やりたいことがない」と悩んでいる人は、職場や取引先など、いつもの顔ぶれではなく、違う環境の人と会ってみてください。どんな分野でも構いません。もしくは、YouTubeやInstagramなどの動画やテレビ番組などの映像で出会う方法も有効です。

出会いが人生を変えることは多々あります。全てでなくても部分的に「ここは素晴らしい!」と思える人でも大丈夫です。リアルでもネットでも新しい出会いを意識されてみてください。運は人を介してやってきます。

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