Yahoo!引用

社会的なつながりを持ち、友人関係が充実していると人生の質は大幅に高まる。適切な友人関係を持っていると気持ちに張りができ、最も困難な時期を乗り越える助けとなる。だが、すべての友人関係がそうした効果をもたらすわけではない。
双方の感じ方が同じでない友情もある。自分が相手に何かをしてもらうより、してあげる方が多いように感じたり、得るところがあるどころか消耗するように感じて友人から遠ざかったりする。
友人関係で何かがおかしいと感じるときを特定するのは、特に有意義な思い出を共有し、明らかな対立がない場合においては難しいかもしれない。しかし表立って友情に亀裂が入っていないからといって、その友情が健全だとは限らない。不健全な友情はいっぺんにあなたを損なうことはないかもしれないが、時間とともにあなたを消耗させる。
平和な友情を維持するために常に無理をしたり、自分のニーズを抑えたりしていると、本質的に友情のために自分を犠牲にしていることになる。
恋愛における危険信号を見極めることを学んだように、友人関係でも危険信号を認識することを学ばなければならない。あなたが気づいているかどうかにかかわらず、最も身近な人はあなたの安全感と自己価値を形成する。
このため、友情が自分にとって健全なものでないときや、立ち去るべきときを見分けられるようになることが重要だ。
無視してはいけない友情における3つの危険信号を紹介しよう。
1. 必要な時にしか連絡してこない
人生には助けが必要なときがある。困ったときに友人を頼るのは親しい関係では自然なことだ。
だが、もし相手が頼みごとがあるときや、精神的な支えあるいはその他のサポートが必要なときだけ連絡してきて、それ以外にはほとんど連絡してこないのであれば、その関係についてよく考える必要があるかもしれない。このようなパターンではやがて自分は友人というよりも頼みの綱のようなものだと感じられるようになる。あなたは自分が大切にされているのか、それともあなたが提供してくれるものだけが大切にされているのかと疑い始めるかもしれない。
専門誌『Journal of Research on Adolescence』に2019年に掲載された研究では、相手を助ける行為と友情がどのように結びついているかを調べた。
研究チームは41クラスの950人以上の青少年をを対象に友情と助ける行為の両方を追跡し、相手を助ける頻度と、助ける行為が相互的なのかそれとも一方的なのか、そしてこれらのパターンが友情の始まりと維持にどのように影響するかを調べた。
その結果、長期的な友人関係の維持には助け合い、つまり互いに支援したりされたりすることが重要な役割を果たすことがわかった。一方、どちらか片方だけが相手を助ける場合、友人関係は安定性に欠け、より取引的だった。
また、支援は友人関係の外で行われることが多いことも明らかになり、誰かがあなたに助けを求めたからといって、必ずしもあなたを親しい友人として評価しているわけではないことが示唆された。
これは、もし誰かが何かを必要とするときだけあなたに連絡するのであれば、それは必ずしもつながりを示すものではない可能性があるという事実を浮き彫りにしている。健全な友情は常に一方通行の好意の上に成り立つものではない。友情とは双方が相手の力になり、相手を気遣うものだ。
このことを知っていれば、長期的に自分の時間やエネルギー、そして自己認識さえも守ることができる。
2. 自分の気持ちを押し付けてくるばかり
いつも友人の心の痛みを受け止め、友人の問題に耳を傾け、危機のたびに友人をなぐさめているのに、友人があなたの様子を尋ねることがほとんどない場合、その友情は一方通行である可能性がある。
最初のうちはこれは2人の親密さや弱さのように見えるかもしれない。
だが、時間が経つにつれてあなたは疲れを感じるようになる。このような濃密な会話があなたの同意なしに相手の都合で行われていないか、そして自分が消耗し、感情面で抱え込みすぎていないかどうかに注目したい。
専門誌『Communication Quarterly』に掲載された研究では、感情を露わにすることが難しいことが話し手と聞き手にどのような影響を与えるかを調べた。
研究チームは、親しい間柄の2人(友人同士や家族間、恋人同士)の間で実際に交わされた82の会話を検証した。
参加者には、親しい人の辛い経験談を聞いて自分がどのように反応したか、どれくらいの時間聞き役に回ったか、相手の感情に対してどの程度責任を感じたかを回想してもらった。
そして、聞き手が責任を感じれば感じるほど、また聞き役に回った時間が長ければ長いほど、感情的苦痛が大きくなることが明らかになった。
加えて、アドバイスするのではなく、相手を認めるという対応の仕方をした人では、感情的苦痛はさらに大きかった。
こうした発見からうかがえるのは、感情的なサポートは重要だが、自分が相手からサポートを受けることなく無遠慮な感情的負荷を繰り返し負わされることは感情面で負担になりうるということだ。
友人関係において、一方が常に感情を吐露している場合、特にそれが習慣的で相互の配慮が欠けている場合、聞く側に回る人の感情的なウェルビーイングを損ない、関係がアンバランスになる可能性がある。
こうしたことから、常に相手の感情を気にかけるという負荷が自分にかかっていることに気づいたら、一度立ち止まって、友人が同じようにあなたを受け止めてくれるかをどうか考えてもいいだろう。友情とは相手に寄り添うことだけではない。お返しに相手も自分に注意を払ってくれる、話を聞いてくれる、気にかけてくれていると感じることでもある。
3. 結局、最後は「自分の苦労話」ばかり
もしあなたが何かを共有するたびに、友人が自分の生活がどれだけ大変かに話を持っていったり、いつもあなたのことを後回しにしようとするなら、相手の苦労が常に話の中心にくるパターンに陥っているかもしれない。
これはあなた自身の感情やニーズを微妙にないがしろにしている。
専門誌『Anxiety, Stress, & Coping』に2022年に掲載された研究では、感情が認められないことの影響と、社会的環境が自分の感情を認めない、あるいは支えるものではないと感じれられることが、その時々の感情状態や日々のストレス度合いにどのような影響を及ぼすかを調べた。
研究チームは参加者に1日に何度も、気分やいっしょにいた人、ストレスの多い出来事の解釈を語ってもらった。
その結果、自分の感情が認められていないと感じている人は、あまり親しくない人といっしょにいる状況においては特に否定的な気持ちを強く抱える傾向があることがわかった。また、そうした人は1日を通して頻繁に強烈なストレス要因を報告した。
感情が認められないことは、たとえ苦痛を感じていないときでもポジティブな感情を大幅に低下させていた。
この研究は、特に親しい間柄において、いつも無視されていると感じると感情面の全体的なウェルビーイングが時間とともに損なわれる可能性があることを浮き彫りにしている。
友人が会話でいつも自分の苦労話ばかりすると、たとえ明らかな対立の兆候がなくても、長期的な気持ちの面での疲れや乖離につながる可能性がある。
そのため、友人との関係で常に自分の存在感が薄くなっていないか気づくことが重要になる。あなたの気持ちも、相手の気持ちと同じように受け止められるに値する。ここで重要なのは、常に完璧なバランスを保とうとするのではなく、感情的に安全だと感じられるような方法で互いに相手の力になり、つながりを通して互恵的な関係を築くということだ。
健全な友情とは楽しい瞬間や長い付き合いによって定義されるのではなく、付き合う中でどれだけ相手に支えられ、理解されていると感じられるかによって定義される。適切な友情では、否定されたり消耗させられたりするのではと恐れることなく自分の気持ちを表し、耳を傾けてもらい、お互いを頼ることができる。
もしあなたが常に尽くしすぎていたり自己不信に陥ったり、あるいは相手に気を遣っているように感じるなら、関係を見直す時かもしれない。
健全な友人関係を築くには自己認識と明確な境界線を持つことが第一歩となる。そして、単に何かを必要とするときだけでなく、あなたとあなたの人間としてのニーズに重きを置いているが故に純粋にあなたのことを気にかけてくれる人との友情は長く続く。

