「婚活に300万円もかけたのに..」38歳いまだ独身。迷走して「婚活課金」ギャンブルにハマる社会問題【専門家解説】

新しい扉

Yahoo!引用

不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

2024年、日本の婚姻件数は前年比5.4%減の47万4,717件(厚生労働省)。減少傾向は加速しており、「結婚は当たり前」という価値観は今、静かに崩れつつある。

一方で、婚活市場は過熱している。マッチングアプリ、婚活パーティー、結婚相談所。あらゆる手段を尽くしても、報われない女性たちは少なくない。

都内在住の大橋京子さん(仮名・38歳)は、10年にわたって婚活を続けてきた。費やした金額は300万円超。IT企業で働きながら、複数の結婚相談所に登録し、出会いを重ねた。しかし、得たものは「自己否定」の積み重ねだったという。

とくに彼女を苦しめたのは、相談所での「女性らしさ」の強要だった。

服装はピンクや花柄、髪型は巻き髪、口調は控えめに。「女性は男性を立て、支える存在であるべき」と繰り返されるレクチャーに、違和感を覚えながらも従おうとした。だが、それは次第に心だけでなく身体にも影響を及ぼし、原因不明の湿疹や頭皮のかゆみに悩まされるようになった。

「最初は“私が変わらないといけない”と思っていたんです。でも、変え続けるほどに、自分がわからなくなっていきました」

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、婚活市場に潜む構造的な問題をこう指摘する。
「婚活支援サービスは“成婚実績”を最優先にしがちです。その結果、男女の役割を固定化する古い価値観を温存し、特に女性に“選ばれる存在”であることを求めがちです。これは心理的ストレスだけでなく、身体的にも悪影響を及ぼすリスクがあります」

日本では依然として「結婚=幸せ」という観念が根強く残っている。だが、現実にはその「型」に自分を押し込もうとすることで、心身をすり減らしてしまう女性もいる。

京子さんは、20代の頃は「自然にしていれば結婚できる」と思っていた。職場の同僚や学生時代の知人といった身近な人との関係から恋愛が始まり、結婚へつながるものだと信じていた。だが、そうした“自然な出会い”は思い通りに訪れなかった。

30歳を過ぎると、周囲の視線が気になりはじめる。「まだ結婚しないの?」「選り好みしてるんじゃない?」といった言葉が、自身の判断に影を落とした。

焦りのなかで登録した結婚相談所は、「理想の相手に出会える場所」というより、「型にハマった人間像を作り上げる工場」に見えていった。

何度も出会いを繰り返しても、「対等な関係」を築ける相手とはなかなか巡り合えなかった。恋愛関係に進んだとしても、相手の支配的な言動や、「おまえは俺のものだ」といった態度に違和感を抱き、自ら距離を置くこともあった。

結婚相談所で「あなたの理想は高すぎる! あなたはそれほどの人間なの? 自分をもっと現実的に見つめなさい! とにかく結婚することが最優先よ」と言われたとき、京子さんははじめて、結婚することは本当に必要なのか、と疑問を持ち始めたという。

「“結婚していない=不完全”という空気の中で、自分を証明したくて婚活していたのかもしれません。でも、本来の私はもっと自由に人を好きになりたかったのかも。でも、どうしてこんなにも結婚することは難しいのでしょうか。婚活に300万円も課金したんです。こんなギャンブルありますか?」

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では、京子さんのその後の婚活について詳報する。

取材・文/伊東克美 写真/Getty Images  出典/厚生労働省2024年調査

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