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若者の婚姻数が減っているのは事実ですが、それは、決して「結婚したくない若者が増えたからではない」ことは繰り返し当連載でもお伝えしてきました。出生動向基本調査においても、少なくとも1992年から2021年にかけて、20〜30代独身男女の結婚前向き率は男性4割強、女性5割前後でほぼ不動で推移しています。 【画像でわかる】若者の結婚に対する意識は都道府県別でこうも違う むしろ、若者の結婚に対する前向き意識は変わっていないのに、この30年間で婚姻数が激減していることのほうこそ深刻に考えるべきでしょう(参照→日本の若者が結婚しなくなった「本当の理由」)。
■若者の結婚に対する前向き意識
この未婚の若者の結婚前向き率は都道府県によっても変わってくるはずですが、出生動向基本調査では都道府県別のデータは公開されていませんので、私のラボで実施した都道府県別の20〜30代未婚男女の結婚前向き率をご紹介します。 2
0〜30代未婚男女に対して、「結婚する予定(婚約者がいる)」「結婚は強くしたい」「結婚はしたいと思っている」という回答を前向き層とし、それらの結婚前向き率を全国平均との差で比較します。グラフが上に伸びているのは全国平均より結婚前向き度が高いことを意味します。
ここで注目したいのは、結婚前向き率が高いところは、必ずしも男女ともに共通して高いというわけではないということです。相関係数は0.04618で無相関です。
ちなみに、男女ともに高いのは15(32%)、男性が高く女性が低いのは13(28%)、女性が高く男性が低いのが9(19%)、どちらも低いのが10(21%)でした。高いにせよ低いにせよ、どちらも共通ならばまだバランスがとれていると言えますが、片方だけが高いのが全体の45%を占めていて、ミスマッチ感があります。
■結婚前向き率よりも重要なこと とはいえ、この前向き率の多寡それ自体はあまり重要ではなく、この結婚に前向きな若者がどれくらい若者のうちに結婚を達成できたかという視点が重要になります。達成できなかった未婚のことを、私は「不本意未婚」と名付けています(参照→「不本意未婚」結婚したいのにできない若者の真実)。
この都道府県別の結婚前向き率を2020年の国勢調査による未婚人口(日本人のみ・不詳補完値)と掛け合わせるとそれぞれの結婚前向き人口が算出できます。その前向き人口を分母としてどれくらい結婚があったかを計算すると達成率が計算できます。その達成率の逆数が不本意未婚率となります。

その不本意未婚率を都道府県別男女別に並べたものが以下のグラフになります。
全体的に不本意未婚率は、女性より男性のほうが高く、男性47%、女性43%で、男性の約5割、女性の約4割が「結婚したいのにできないまま」の不本意未婚ということになります。が、当然、これも都道府県によってばらつきが出ます。
全体的にざっくりいうと、東京、大阪、福岡などの大都市では男女差がほぼありませんが、地方になればなるほどその差が拡大します。特に、東北から北関東、甲信、中国四国地方などは不本意未婚の「男>女」傾向が顕著です。
■地方における未婚男女人口の歪さ
この要因のひとつとして、そもそも地方における未婚男女人口の歪さがあると推測できます。地方から若い女性が都会に流出するというニュースも話題になっていますが、そうした社会増減だけではなく、そもそも出生男女比が女100に対して男105で生まれてくるため、若い未婚男女で比較すれば必ず男余りになります。2020年の国勢調査で、未婚男女の人口差を計算すれば430万人の未婚男余りとなります、仮に、未婚女性が全員結婚したとしても430万人の未婚男性は余ることになるのです。
単純に、20〜30代未婚人口男女差(日本人のみ)だけで見るならば、福島、茨城、栃木の3県がトップ3になるのですが、結婚前向き人口の男女差でいうと秋田がトップになります。つまり、秋田では結婚したい未婚男性が沢山いても、相手となる結婚したい未婚女性が少なく、結果男性側の不本意未婚が増えることになるわけです。ちなみに、秋田は婚姻率では全国最下位です。
結婚前向き人口の男女差が大きければ大きい(男余り)ほど、男性の不本意未婚率は高まり、その相関係数は0.5062と強い正の相関となります。
であれば、男性の不本意未婚率の高いところは女性の結婚前向き人口を増やすことが解決策と思うかもしれません。しかし、残念ながら、女性の結婚前向き人口が増えて、結婚前向き人口の男女差が縮小されればされるほど、今度は女性の不本意未婚率は増加します。その相関係数▲0.6076という強い負の相関があります。要するに、結婚に前向きな男余りであったほうが女性の不本意未婚は減るということです。 いうなれば、地方においては、男性の不本意未婚という犠牲の上で、結婚したい女性の結婚が作られているということになるでしょうか。なかなかうまくいかないものです。

その不本意未婚率を都道府県別男女別に並べたものが以下のグラフになります。 全体的に不本意未婚率は、女性より男性のほうが高く、男性47%、女性43%で、男性の約5割、女性の約4割が「結婚したいのにできないまま」の不本意未婚ということになります。が、当然、これも都道府県によってばらつきが出ます。
全体的にざっくりいうと、東京、大阪、福岡などの大都市では男女差がほぼありませんが、地方になればなるほどその差が拡大します。特に、東北から北関東、甲信、中国四国地方などは不本意未婚の「男>女」傾向が顕著です。
■地方における未婚男女人口の歪さ
この要因のひとつとして、そもそも地方における未婚男女人口の歪さがあると推測できます。地方から若い女性が都会に流出するというニュースも話題になっていますが、そうした社会増減だけではなく、そもそも出生男女比が女100に対して男105で生まれてくるため、若い未婚男女で比較すれば必ず男余りになります。2020年の国勢調査で、未婚男女の人口差を計算すれば430万人の未婚男余りとなります、仮に、未婚女性が全員結婚したとしても430万人の未婚男性は余ることになるのです。
単純に、20〜30代未婚人口男女差(日本人のみ)だけで見るならば、福島、茨城、栃木の3県がトップ3になるのですが、結婚前向き人口の男女差でいうと秋田がトップになります。つまり、秋田では結婚したい未婚男性が沢山いても、相手となる結婚したい未婚女性が少なく、結果男性側の不本意未婚が増えることになるわけです。ちなみに、秋田は婚姻率では全国最下位です。
結婚前向き人口の男女差が大きければ大きい(男余り)ほど、男性の不本意未婚率は高まり、その相関係数は0.5062と強い正の相関となります。
であれば、男性の不本意未婚率の高いところは女性の結婚前向き人口を増やすことが解決策と思うかもしれません。しかし、残念ながら、女性の結婚前向き人口が増えて、結婚前向き人口の男女差が縮小されればされるほど、今度は女性の不本意未婚率は増加します。その相関係数▲0.6076という強い負の相関があります。要するに、結婚に前向きな男余りであったほうが女性の不本意未婚は減るということです。 いうなれば、地方においては、男性の不本意未婚という犠牲の上で、結婚したい女性の結婚が作られているということになるでしょうか。なかなかうまくいかないものです。

繰り返しますが、結婚前向き率は1990年代から変わっていないのに、初婚率だけが激減しているということは、結婚したいのにできない不本意未婚が増えていることを意味します。しかも、20代で結婚したい若者が20代のうちにできないという問題です。 「婚姻減は、結婚しない若者が増えたからだ」などと若者の価値観のせいにする識者などがいまだにいますが、これらのデータを見れば、「結婚したい若者の割合は変わらないのに、その若者が結婚できなくなった」がゆえの婚姻減であることは明白です。

未婚男女の人口差は出生性比のメカニズムによるものでいかんともしがたいし、社会増減で20代の若者が大都市に転入することも、それは仕事を求めての話であり、止められる筋合いのものでもありません。ましてや、全員が結婚した皆婚時代でもないので、若者に結婚を強要することもできないでしょう。「選択的非婚」の生き方も尊重されるべきです。
私自身、結婚を推奨も否定もしませんが、少なくとも結婚したい人には結婚できる環境があるべきだと思うし、結婚したいのにできないという不本意未婚が5割にもなる現状は由々しき問題と考えます。

■何が若者の不本意未婚を生んでいるか 対応策は、都道府県別に異なる事情もあり、そこは細かく見ていく必要がありますが、少なくとも何が若者の不本意未婚を生んでいるかという点においては全国的に共通する課題もあります。
令和6年こども家庭庁が実施の 「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」の中に、「結婚のハードル」について聞いているものがあります。対象は25〜34歳未婚男女ですが、男性28.9%、女性も25.4%が結婚のハードルとして「経済的問題」をあげており、全項目の中ではトップです。不本意未婚が5割いる中で、その半分から6割は「経済的な問題」によるものと推計できます。

事実、減っている若者の婚姻は年収帯では中間層以下だけです。経済的問題だけをクリアすればすべてが解決するとまでは言いませんが、この10年で急減した中間層の若者初婚数と鑑みれば、若者の不本意未婚と所得の問題についていつまでも「見ないフリ」をしている場合ではないのではないでしょうか。


